国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

官庁ノンキ節

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財務官僚は偉いもんじゃそうな
偉いから何でも決めれるそうな
決めれば政治家は無邪気なもので
それもそうかと思うげな
ア呑気ダネ

ベンチャーというペテン師の幻燈など見せて
経済産業省の役人が
規制を緩和すりゃ皆このとおり
成功するんだと怪気炎
ア呑気ダネ

貧乏でこそあれ日本人は偉い
それに第一先進国だ
人手が足りなくても賃金下がる
外人を追い出す法務省
ア呑気ダネ

空母浮かべようがトマホーク持とうが
憲法変えなきゃやっぱり軍じゃない
軍じゃない軍じゃないその自衛隊
さも国軍みたいな顔をする
ア呑気ダネ

辞めた文科官僚はお情け深うて
貧乏人を調べるのもお好きなら
若い女性もお好きじゃそうな
ほんに結構なお道楽
ア呑気ダネ

先進国のインフラが途上国のように
鉄道は廃線首都高オンボロ
強靭化に熱心な国交省
老朽化じゃ仕方がないさで済ましてる
ア呑気ダネ

うんと搾り取って泣かせておいて
目薬ほど出すのを福祉と申すげな
なるほど厚労省は福祉をするが
財源は見ぬふり知らぬふり
ア呑気ダネ

地方行政の権限は副知事しかないが
電波通信は総務省主管
自治省だ内務だ日本一だ
地方創生だ分権だ
ア呑気ダネ

膨張する膨張する不安が膨張する
テロの脅威が膨張する
警備公安が膨張する
警察権力が膨張する
ア呑気ダネ

生存競争の国際社会
アジアの隅っこに島国ひとつ
外務省が広げた大風呂敷も
ひいた札次第で逆戻り
ア呑気ダネ

食料自給率を向上させましょう
農産物を海外へ輸出しましょう
種は外国から買いましょう
農水政策なかなかうまいでしょ
ア呑気ダネ

政治利用は御免でおじゃる
お上がお疲れなら御隠居でおじゃる
殿下が惚れたなら婚約でおじゃる
おじゃるおじゃるで破談でおじゃる
ア呑気ダネ

環境はどうした(突然キテレツ大百科

「北朝鮮のスリーパーセルの活動に関する質問主意書」立民・逢坂誠二君(衆)

 先日、三浦瑠麗氏の「北朝鮮スリーパーセル大阪潜入発言」が物議を醸しました。大阪には一般人を装った北朝鮮の破壊工作員が多数潜伏している、というような、まあ普通に考えてちょっとまずい発言だったわけですが、なにがまずいかといえば、「本当にそうなんじゃないか」という恐怖心を煽ってしまうところですよね。

 どうでもいいですが、三浦氏(下写真、本人Twitterより)の雰囲気、

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 見るたびに、メジャーリーガー級のテロリストであるところの日本赤軍の最高指導者、重信(本名:奥平)房子服役囚の若いころを連想してしまいます。

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 まあ、「だからなんだ」と言われても「美人ですね」くらいしかありませんが。

 本題に戻りましょう。

 おなじみ、立憲民主党逢坂誠二(北海道8区)が、「これほんと?」という質問主意書を提出、答弁書が公表されました。まあ、この手の質問は基本的に公開すると我が方の手札を見せるようなものなので回答を得るのは難しいところですが、興味深い質問ではあります。右紹介する。

北朝鮮のスリーパーセルの活動に関する質問主意書


 平成三十年二月十一日、フジテレビの「ワイドナショー」に出演した東京大学に所属する国際政治学者は、米国と北朝鮮の間で戦争が起きた場合、金正恩が殺されたとしても「スリーパーセル」という組織が活動すると指摘した。
 スリーパーセルとは一般市民を装って潜伏している北朝鮮工作員を指し、国際政治学者は、「ソウル、東京、大阪に潜んでいます。いま大阪がヤバいといわれる。首都よりほかの大都市が狙われる可能性がある」と発言した。日本に北朝鮮の暗殺部隊が潜んでいるという情報は、ネット上で議論になり、大阪に在住する韓国籍の住民をスパイ呼ばわりして憎悪を扇動したなどと非難が多くなされた。
 元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓殖大客員研究員の高永喆氏は、「スリーパーセルは直訳すると「潜伏細胞」。日本には二百人くらい潜伏している可能性があります。年齢は四十~五十代が中心で女性は一、二割ほど。ただし、(その国際政治学者)が言うような暗殺専門ではありません。有事になり、本国からの指令を受けると本格的な活動を開始。「自衛隊が一般市民を傷つけた」といった流言飛語を流したりします。特殊部隊が上陸する際は護衛役、案内役などの三人グループで手引きを担当。指令は北朝鮮から届くラジオ短波放送に数字が隠されていて乱数表で解読します」と述べるとともに、スリーパーセルは武器を所持し、金正男暗殺に使った毒ガスのほかサイレンサー付きの拳銃、ライフル銃を隠している可能性が高いと指摘している。
 このような指摘は必ずしも即座に否定されるべきものではなく、我が国の安全保障上の観点、さらには国民的な不安と関心から、北朝鮮スリーパーセルに関する情報収集と行動の把握は、喫緊の課題であると考えられる。他方、地上波のメディアで、正確な根拠を示さず東京大学に所属する研究者が「いま大阪がヤバいといわれる。首都よりほかの大都市が狙われる可能性がある」と発言したことは、ヘイトスピーチも含めた議論の発端になっており、多くの国民に北朝鮮に対する不安を増大させている。
 このような事実を踏まえ、以下質問する。

 ご指摘のとおり、北朝鮮工作員の脅威は「必ずしも即座に否定されるべきものではない」のが困りものですね。ドイツなどの欧州諸国では移民による破壊活動を報じると「ヘイト」扱いされるので信頼できる情報が発信されず、それこそネットの真実なんだかフェイクニュースなんだかの境界線が曖昧になるという問題が発生しているので、「論じるべからず」は悪手だと思います。では、質問と答弁本文に移りましょう。

一 我が国に、いわゆる北朝鮮の「スリーパーセル」と呼称される工作員が存在し、潜伏していると政府は考えているのか。政府の見解如何。
二 一に関連して、いわゆるスリーパーセルの実数はどの程度であると推定しているのか。

三 政府は、北朝鮮の行う破壊活動に関して、「いま大阪がヤバいといわれる。首都よりほかの大都市が狙われる可能性がある」との認識を共有するのか。また日本国内の特定の地域について、重点的に破壊活動を抑止する対策を講じているのか。政府の見解如何。

五 北朝鮮金正恩が暗殺あるいは政治的に失脚した場合、北朝鮮の政治的混乱に乗じていわゆるスリーパーセルと呼称される工作員が我が国で破壊活動を行うことは否定できない。かかる事案に関して、我が国に潜伏する北朝鮮工作員への対策は存在しているのか。政府の見解如何。
六 公安調査庁は、「内外情勢の回顧と展望」(平成二十九年一月)において、「朝鮮総聯は、我が国の対北朝鮮措置の影響などを受けた厳しい情勢に危機感を強めており、許宗萬議長を中心とする指導体制を一層強化し、組織の引締めを図っていくとみられる。また、引き続き、基層組織の活性化を通じて組織力の底上げを図るべく、中央幹部を積極的に派遣するなどして地方組織に対する指導を強めていくとみられる」と示しているが、高永喆氏が指摘する「スリーパーセルは直訳すると「潜伏細胞」。日本には二百人くらい潜伏している」、「有事になり、本国からの指令を受けると本格的な活動を開始。「自衛隊が一般市民を傷つけた」といった流言飛語を流したり」する者についての記述はない。政府内で、高永喆氏が指摘する「潜伏細胞」について把握し、適切に国民に情報提供を行い、不安の解消を図るための部署は存在しているのか。政府の見解如何。

 

 

一から三まで、五及び六について

お尋ねの「いわゆる北朝鮮の「スリーパーセル」と呼称される工作員」及び「破壊活動」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、北朝鮮工作員について、我が国に存在するか否かを含めその動向に関する情報収集を行っているところ、その収集した具体的な内容に係るお尋ねについては、これを明らかにすることにより、今後の情報収集活動等に支障を及ぼすおそれがあるため、お答えを差し控えたい。

 政府としては、北朝鮮工作員による様々な活動を想定し、関係機関が連携して、国民の生命、身体及び財産を守るために必要な対策を進めているところである。

 

  逢坂代議士、例によって「スリーパーセル」の定義を質問項目に入れていませんが、考えてみると工作員が「一般市民を装って潜伏」しているのは当たり前なので、前文部分での定義も不十分だった感があります。

四 朝鮮籍もしくは朝鮮籍と推定される者について、これまで日本国内で、小銃、迫撃砲などの武器を押収したことはあるのか。

 

 四についてお尋ねの「朝鮮籍もしくは朝鮮籍と推定される者について・・・武器を押収した」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

 

  これ、「阪神大震災後に北朝鮮工作員のものと思われる迫撃砲が発見された」という話がデマかどうかという、わりと大事な話ですが、「具体的に何を聞いてるのかわからん」とされていますね。

 問題点を考えてみましたが、まず国語的に、「朝鮮籍もしくは朝鮮籍と推定される者について」ではなく、「~者から」でなくてはならないのでは。

 また、「朝鮮籍」はいいとして、「朝鮮籍と推定される者」ってなんなんですかね。所有者を誰だか特定できていないものを「たぶん朝鮮人だと思う」は問題になるでしょう。例えば、漂流漁船の場合は特定は困難な場合が多く、かつ推定しても差支えはないでしょうが。

 加えて、「朝鮮籍」とすると、「在日朝鮮人を銃刀法違反で検挙した件数ということか?質問の意図としてたぶんそうじゃないと思うし、その数字を公表したら絶対誤解招くよな?」という判断もあるのでしょう。

 とはいえ、「工作員」という枠に絞った場合、束ね答弁ルートになる可能性もあるのでしょうか。阪神大震災のときの案件を出すべきだったのかも知れません。

内務3兄弟

知事も出してた内務
3つならんで内務
解体されても内務
内務3兄弟

一番上は警察(警保)
一番下は国交(土木)
間に挟まれ総務(地方)
内務3兄弟

官僚統治の警察
運輸と合併国交
自治省がいちばん総務
内務3兄弟

今度行革するときも
役所の中心同じ枠
できれば今度は外局の
たくさんついた大所帯 内務

ある日兄弟げんか けんか
道路のことでけんか けんか
すきまのあいた内務 内務
でも、すぐに仲直り

国会空転で ひるね ひるね
3人そろって ひるね ひるね
うっかり寝過ごし予算編成
削られちゃいました

長官ポストは内務
次官ポストも内務
部長ポストも内務
内務3兄弟

内務 内務 内務 内務
内務3兄弟 内務3兄弟 内務3兄弟
内務!

 

厚生省は……内務省解体時点で既に分離されていたので、まあいいでしょう。

「JR総連系労組への浸透が指摘され続けている革マル派の現状と実態に関する質問主意書」民進・川合孝典君(参)

 労働組合=左翼の隠れ蓑、という偏見を抱いている人は世に少なくないと思います。

 民進党の川合孝典参議院議員比例区)より、「JR総連系労組にはテロリストである革マル派が浸透している、取り締まるべし」という質問主意書が提出されました。

 川合孝典議員は「連合」に加盟している労組、UIゼンセン同盟の政治局政治委員会事務局長です。簡単に言って、「連合」のなかでも「同盟」系は右派、「自治労」「総評」系は左派なのですが、要は連合の右派から「JR総連にアカが浸透しているから対策しろ」と政府に求めるという、向こうからすれば「おのれスト破りの御用組合め」という事案です。

 構図だけでも十分面白いので、右紹介する。

JR総連系労組への浸透が指摘され続けている革マル派の現状と実態に関する質問主意書

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/196/syuh/s196020.htm

 政府が「共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団」と認定している革マル派の動向について、警察庁警備局は「治安の回顧と展望」(平成二十九年版)において「革マル派が相当浸透しているとみられる全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道労働組合(以下「JR東労組」という。)は、六月にそれぞれ労組結成三十年の記念大会を開催し、労組結成から現在までの三十年を振り返り、「いつでもたたかえる組織」の堅持を掲げるなど、引き続き、革マル派創設時の副議長である松嵜明元JR東労組会長(故人)が提唱した労働運動理論の継承を傘下組合員に対して呼び掛けた。」と記述して注意喚起を行っている。
 実際に、革マル派の指導者であった松嵜明氏の労働運動理論を継承するべく、その著書集が編纂され、JR東労組にとどまらず、JR総連傘下の北海道旅客鉄道労働組合(以下「JR北海道労組」という。)においても、これらを利用した学習会などが開催されていることは、当該労組の機関紙などで自ら明らかにしている。
 また菅義偉官房長官は、平成二十九年二月二十六日の読売新聞北海道版のインタビュー記事において「北海道では過去に色んな事故が起きた。ああいう組合を持っているのはJR北海道だけでしょ」と述べているが、これは菅官房長官JR北海道の安全運行と経営にJR北海道労組が悪影響を及ぼしている、との認識を示したものと受け止められている。
 さらに平成二十九年四月十八日の産経新聞朝刊には、関係者の証言を基に、JR北海道労組がJR北海道の経営幹部への影響力を行使したことについて懸念する声があるとする記事も掲載されている。
 既にJR北海道労組と革マル派との関係については、平成二十五年十一月二十二日、衆議院国土交通委員会において平沢勝栄衆議院議員に対し、JR北海道労組への革マル派浸透に関して明確な断定は避けたものの「鋭意解明に努めている」との政府答弁がなされている。
 このように革マル派が、JR総連系労組に今なお相当浸透していることを窺わせる様々な事象は、わが国の治安維持、そして二年半後の東京オリンピックパラリンピックを安全に開催するといった観点からも憂慮すべき深刻な問題であると認識している。
 なお昨年来、維持困難路線を公表したJR北海道に対する北海道や国による公的支援の実施を求める動きがある。北海道のインフラを支える路線の維持が極めて重要であることは言うまでもないが、公的支援の前提として、JR北海道労組に革マル派が浸透しているという憂慮すべき実態を解明し、問題を解決することが必要不可欠であると考える。
 政府においては、JRというわが国を代表する公共交通機関労働組合に、今なお過激派・革マル派が浸透している実態を看過することなく、治安維持のための取り組みをさらに強化すべきであると考える。

JR北海道への公的支援が、革マル派を肥え太らせることになってはならない」との強い意志が感じられます。なお、革マル派を「共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団」として政府が認めたのは鳩山由紀夫政権の頃というのも、味わい深くていいですね。

 

一 これまでの捜査過程で解明された革マル派のJR総連系労組への浸透の実態について、政府の把握するところを具体的に明らかにされたい。

二 革マル派がJR総連系労組に浸透を図ろうとしている目的は何か、政府の見解を明らかにされたい。

 

一及び二について

 お尋ねの「JR総連系労組」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、例えば、全日本鉄道労働組合総連合会及び東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している。

 

 警察庁警備局、「例えば」まで言及してやる気マンマン、極めて歯切れがいい答弁です。さすが高等公安警察

 

三 JR総連系労組が、松嵜明元JR東労組会長が提唱した労働運動理論の継承を傘下組合員に対して呼び掛けている目的は何か、政府の見解を明らかにされたい。

三について

 お尋ねについては、政府としてお答えする立場にない。

  二においてはちゃんと警察庁警備局が革マルの意図を解説している一方、こちらでは「お答えする立場にない」としているのは、JR東労組自体を「極左暴力集団」としているわけではないから、ということでしょうか。

 

四 JR北海道労組への革マル派の浸透及びJR北海道の経営に対する影響力の行使の実態について、政府における解明状況を具体的に明らかにされたい。

四について

 お尋ねの「JR北海道の経営に対する影響力の行使の実態」については、その意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、北海道旅客鉄道労働組合への革マル派の浸透実態については、現在、警察等において鋭意解明に努めているものと承知している。

  この答弁、単に「JR北海道労組への革マル派の浸透及びJR北海道の経営に対する影響力の行使の実態」の一文が主語の明らかではない悪文だから「意味するところが明らかではないため~」となったのでしょうか。

「警察等において」は、「公安警察がやるんだ」との意気込みの感じられるいい答弁ですね。「等」あつかいされた公安調査庁涙目

 

五 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を介して政府が全株式を保有するJR北海道の経営や人事に対して、JR北海道労組が影響力を強めているとの指摘に対する、政府の見解を明らかにされたい。

五について

 北海道旅客鉄道株式会社からは、同社の経営や人事に対する北海道旅客鉄道労働組合の影響力が強まっているとは聞いていない。

 この部分はなんだか気の抜けたような感じですが、国交省に割り振られたんでしょうかね。

六 JR北海道では、平成二十三年九月には当時社長であった中島尚俊氏が、平成二十六年一月には元社長の坂本眞一氏が相次いで自殺している。JR北海道経営トップの度重なる自殺という異例の事案の背景に何があったのか、政府の見解を明らかにされたい。

六について

 お尋ねについては、政府として承知していない。

  下山事件を彷彿とさせる事件ですが、残念ながら「革マル派による犯行と見ている」という爆弾発言は飛び出しませんでした。

 

「憲法を「国の理想の姿を示すもの」とする総理の認識に関する質問主意書」立民・初鹿明博君(衆)

「どうでもいいこと」或は「こいつ、政府答弁の意味を理解していないのでは」と思わされる質問主意書を提出することで定評のある、立憲民主党初鹿明博代議士(東京16区→比例東京)が、憲法の定義に関する質問主意書を提出しました。

 これ、政府答弁を聞き出してどういう意味があるのでしょうか。よくわかりませんが、如何に意味不明なのかを明らかにする意味で掲載します。右紹介する。

 

憲法を「国の理想の姿を示すもの」とする総理の認識に関する質問主意書

 安倍総理憲法について言及する際に、しばしば「憲法は、この国の形、理想の姿を示すものです」と述べています。
 「憲法」とは、小学館発行の辞書、大辞泉では「国家の統治権・統治作用に関する根本原則を定める基礎法。他の法律や命令で変更することのできない国の最高法規。近代諸国では多く成文法の形をとる」とあり、三省堂発行の大辞林では「国家の基本的事項を定め、他の法律や命令で変更することのできない、国家最高の法規範」とあり、他の辞書を見ても、国の「理想の姿」を示すと記載されている辞書は確認できません。
 一方、「理想」の意味は、大辞泉では「人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態」、大辞林では「考えうるかぎり最もすばらしい状態。最も望ましい姿。行動の目的となって現実に意味を与える」とあり、対義語として「現実」が挙げられています。

 しばしば答弁で引用される岩波書店の『広辞苑』ではなく、あえて『大辞泉』を引用したのには、なにか意図があるのでしょうか。あと、どうでもいいですが、引用する際は第何版かを明らかにするのが、学生のレポート作成でも通用するルールかと存じます。

 

 フランス人権宣言第十六条に「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない」と記載されているように、憲法は国民の権利と自由を保障し、権力の分立を定めており、国の理想の姿を示すのではなく、具体的な国家組織の形態を規定しているものであります。

 

  これもどうでもいいですが、スターリン憲法否定ですね。


 また、全ての法律は憲法の規定を満たす範囲で公布されるので「憲法は法律の法律である」と説明されることもあり、憲法は「国民が権力者(国家)に守らせる法」、法律は「権力者(国家)が国民に守らせる法」であると捉えられていることが一般的です。
 つまりは、憲法はそこに記載されていることを権力者が守り、現実の姿としなければならないのであって、記載されている事柄を理想として、そこに近づくように励むようなものではありません。

 

 はい、以上、初鹿明博代議士による御意見ですね。結構な見識かと思います。

 以上を踏まえて、政府の見解を伺います。
一 安倍総理の、憲法はこの国の「理想の姿」を示すものだという考えは、安倍総理個人の考えですか。
二 政府としても、憲法三権分立など国家組織の具体的な姿を示すのではなく、(現時点では具現化していない)理想の姿を示すものであると考えているのですか。
三 上述した通り、安倍総理の「国の理想の姿を示すものです」という憲法に対する認識は、明らかに誤っているので、過去の答弁を訂正すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

 右質問する。

  初鹿代議士の見識は見識でよろしいかと思いますが、責任主体が出版社である国語辞典や、外国の法律を以て、国民の負託という政治的正当性を有した内閣総理大臣の意見を「過っている」と言ったところで、そりゃ勝てんだろうと思います。あと、学説を提示する議員もいらっしゃいますが、学説は結局「個人の感想」であって、そこに政治的正当性はありません

 次に、答弁です。


一から三までについて

 憲法は、主権者たる国民の意思に基づき国家の統治組織の基本をはじめ国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障することにその基本的な役割がある根本規範であるところ、国の在り方や理想を示すものでもあると考えており、御指摘の安倍内閣総理大臣の発言は、この趣旨を述べたものである。

  はい、普通に「だから、内閣総理大臣として主張してるよ」という答弁ですね。「憲法」の意義は憲法条文の範疇におさまらないため、政治的な正当性を有した内閣による解釈が、学説、国語辞典、外国の法律に優越することは明らかでしょう。

 もちろん主権者は国民なので初鹿明博代議士のお仕事は、クソリプを内閣へ投げる暇があったら国民世論を喚起して、自らの主張の正当性を担保することであると思われます。

 

 

「「町村総会」にかかる地方自治法の合憲性に関する質問主意書」立民・早稲田夕季(衆)

 立憲民主党の早稲田夕季代議士(神奈川4区)より、「議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる」って、地方自治法の「地方公共団体には(略)議会を設置する」という憲法規定と矛盾しないの?という質問がありました。たしかに、「あれ?」という素朴な疑問ですね。

 どうでもいいですが、早稲田代議士は早稲田大学法学部卒なんですね。慶応に行って「バカ田なんか行ってられるか」とでも言った方が面白かったのではと思いました。本当にどうでもいいですが。それはともかくとして、右紹介する。

 

「町村総会」にかかる地方自治法の合憲性に関する質問主意書


 二〇一七年六月十二日、高知県土佐郡大川村議会において、村長が村議会の廃止と村総会の設置を検討する旨を表明した。その後の動向は不明であるが、この件が数多く報道され「町村総会」制度に改めて注目が集まることとなった。
 ところで、「町村総会」制度の根拠法は地方自治法である。関連する条文では、
第八十九条 普通地方公共団体に議会を置く。
第九十四条 町村は、条例で、第八十九条の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。
第九十五条 前条の規定による町村総会に関しては、町村の議会に関する規定を準用する。
 と定められている。
 これに対し、日本国憲法では
第九十三条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
 と定められている。
 このため、憲法では地方公共団体には議会を設置するとしながら、地方自治法で議会を置かない場合の規定を定めていることについて、違憲性を指摘する向きも散見される。このような疑義がある中では、今後「町村総会」を選択しようとする地方公共団体が二の足を踏むことも想定される。ついては、地方自治の本旨に則り、地方公共団体が自律的に統治制度を選択できるよう、法的整合性の確保が必要であることから、以下を質問する。
一 地方自治法第九十四条は合憲か、政府としての見解を明らかにされたい。
二 地方自治法第九十四条が合憲であるとする場合、その根拠を説明されたい。あるいは違憲であるとする場合、その後の対処方針を説明されたい。
 右質問する。


町村総会が合憲でも違憲でもいいんだが、要ははっきりしろ」という、普通の質問ですね。さて答弁は。

 

一及び二について
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第九十四条の規定による町村総会は、憲法第九十三条第一項にいう「議事機関」としての「議会」に当たるものと考えている。

 なんか、拍子抜けするほど簡単な結論ですね。まあ、憲法の方が地方自治法よりも広義に「議会」を規定している、というのは、許される判断でしょう。単に地方自治体法作成者のチョンボだった可能性もありますが

 いずれにしても、昭和・平成の大合併を経た現代となっては、有権者全員を収容可能な議場を確保するのは困難なため、あまり現実的な規定ではないのではとも思います。

 ともかく、これは学説の対立に決着をつける、いい質問ですね。

「日本の首都に関する質問主意書」立民・逢坂誠二君(衆)

 この質問は、立憲民主党逢坂誠二代議士(北海道8区)によって主意書が提出されたときから楽しみにしていたのですが、今日答弁書が公表されました。

 日本の首都はどこか?

 常識的に考えれば、もちろん東京です。しかし、世の中にはそれに異を唱える勢力が存在します。そう、「首都」という意味の一般名詞を地名にしてしまった、京都。 

    中国に住んでいた頃、

「日本の京都では……」

「京都とは日本の首都なりや」

「さにあらず、日本の首都は東京なり」

「京都これすなわち首都にあらずや」

「しからず。日本には京都と称すところの地名これあり」

といった、トンチンカンな会話をしたことがあります。よって、

遷都令が出ていないから、帝は東へ行幸

京都は御所で、東京にあるのは住んでいるだけを意味する皇居、よって京都の方が上

 という解釈から、「早稲田は都の東北」と主張する過激派もいます。

 天覧試合で長嶋茂雄サヨナラホームランを打たれた村山実が、「あれはファールや」と言い続けたのにも似た、一種の意地のようなものかもしれません。

 ついにこの論争に決着がついてしまうのか。右紹介する。

日本の首都に関する質問主意書

日本の首都は東京都であるとほとんどの国民に解されているが、現在、その法的根拠はないと考える。
 日本の首都が東京であると解されていることは、「首都建設法」(昭和二十五年法律第二百十九号)が東京都を首都と規定していたためであろう。首都建設法第一条では、「この法律は、東京都を新しく我が平和国家の首都として十分にその政治、経済、文化等についての機能を発揮し得るよう計画し、建設することを目的とする」と示されていたものの、同法は昭和三十一年に廃止された。
 首都建設法を引き継いだ首都圏整備法第二条では、「この法律で「首都圏」とは、東京都の区域及び政令で定めるその周辺の地域を一体とした広域をいう」と示されているものの、明示的にどこが日本の首都であるかは示されていない。
 二〇二〇年に東京オリンピックを迎えるにあたり、日本の国内法で日本の首都が東京であることを明示的に規定されていないことは、いささか不都合であるとも思われる。
 このような観点から、以下質問する。
一 現行の法令で、日本の首都は東京都であると規定したものはあるのか。
二 日本の首都は東京都であるとほとんどの国民に解されているが、現在、その法的根拠はないという理解でよいか。
三 日本の首都は東京都であるとほとんどの国民に解されていることは、法的な根拠に基づかないものの、ただ何となくそうなんだろうというような認識であるに過ぎないという理解でよいか。
四 明治元年七月十七日に明治天皇が発した詔勅である「江戸ヲ称シテ東京ト為スノ詔書」では、「朕今萬機ヲ親裁シ億兆ヲ綏撫ス江戸ハ東國第一ノ大鎭四方輻湊ノ地宜シク親臨以テ其政ヲ視ルヘシ因テ自今江戸ヲ稱シテ東京トセン」と示され、この詔勅の中に「今江戸ヲ稱シテ東京トセン」と示され、首都を示す「京」を新たな地名に付したことから、この詔書によって、東京を京都と並び首都とすることが規定されたと解される立場が有力である。その後、関東大震災直後ノ詔書東京都制(昭和十八年)などが存在し、東京が首都であることは明示的に規定されてきた。従って、昭和三十一年以後、法令で規定されていない状態がむしろ空白期間であると言える。首都が東京都であることを法令で規定しないことには何か理由があるのか。政府の見解如何。
五 二〇二〇年に東京オリンピックを迎えるにあたり、政府は、法律で、日本の首都が東京であることを明示的に規定すべきではないか。政府の見解如何。

 右質問する。

  東京を首都と規定している可能性のある法令、よく調べましたね。「首都圏整備法が根拠」説は、仄聞したことがあります。さて、答弁や如何に。

一から五までについて

 首都を東京都であると直接規定した法令はないが、東京都が日本の首都であることは、広く社会一般に受け入れられているものと考えている。

  きたあぁぁぁ!!

法令では決まってないけど、常識的に考えて日本の首都は東京

 以後、「日本の都は京都」という主張は、「平成三十年二月十三日受領答弁第四八号 内閣衆質一九六第四八号」によって粉砕できます

 しかし思えば約150年前、京都市中で暗殺テロを繰り返した挙句、御所蛤御門で兵乱を起こし、さらには帝を東へ連れて行ったのも長州なら、今日公的に首都を東京と答弁したのも長州の安倍内閣とは、何かの因縁を感じます。

 ということで「日本の首都は東京」と、平成三十年二月十三日をもって、再び明らかになりました。「京都」は「京」の字こそ入っているものの、まあ長岡京市のようなものです。

 これは文句なしの好質問と、高く評価します。