国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「憲法を「国の理想の姿を示すもの」とする総理の認識に関する質問主意書」立民・初鹿明博君(衆)

「どうでもいいこと」或は「こいつ、政府答弁の意味を理解していないのでは」と思わされる質問主意書を提出することで定評のある、立憲民主党初鹿明博代議士(東京16区→比例東京)が、憲法の定義に関する質問主意書を提出しました。

 これ、政府答弁を聞き出してどういう意味があるのでしょうか。よくわかりませんが、如何に意味不明なのかを明らかにする意味で掲載します。右紹介する。

 

憲法を「国の理想の姿を示すもの」とする総理の認識に関する質問主意書

 安倍総理憲法について言及する際に、しばしば「憲法は、この国の形、理想の姿を示すものです」と述べています。
 「憲法」とは、小学館発行の辞書、大辞泉では「国家の統治権・統治作用に関する根本原則を定める基礎法。他の法律や命令で変更することのできない国の最高法規。近代諸国では多く成文法の形をとる」とあり、三省堂発行の大辞林では「国家の基本的事項を定め、他の法律や命令で変更することのできない、国家最高の法規範」とあり、他の辞書を見ても、国の「理想の姿」を示すと記載されている辞書は確認できません。
 一方、「理想」の意味は、大辞泉では「人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態」、大辞林では「考えうるかぎり最もすばらしい状態。最も望ましい姿。行動の目的となって現実に意味を与える」とあり、対義語として「現実」が挙げられています。

 しばしば答弁で引用される岩波書店の『広辞苑』ではなく、あえて『大辞泉』を引用したのには、なにか意図があるのでしょうか。あと、どうでもいいですが、引用する際は第何版かを明らかにするのが、学生のレポート作成でも通用するルールかと存じます。

 

 フランス人権宣言第十六条に「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない」と記載されているように、憲法は国民の権利と自由を保障し、権力の分立を定めており、国の理想の姿を示すのではなく、具体的な国家組織の形態を規定しているものであります。

 

  これもどうでもいいですが、スターリン憲法否定ですね。


 また、全ての法律は憲法の規定を満たす範囲で公布されるので「憲法は法律の法律である」と説明されることもあり、憲法は「国民が権力者(国家)に守らせる法」、法律は「権力者(国家)が国民に守らせる法」であると捉えられていることが一般的です。
 つまりは、憲法はそこに記載されていることを権力者が守り、現実の姿としなければならないのであって、記載されている事柄を理想として、そこに近づくように励むようなものではありません。

 

 はい、以上、初鹿明博代議士による御意見ですね。結構な見識かと思います。

 以上を踏まえて、政府の見解を伺います。
一 安倍総理の、憲法はこの国の「理想の姿」を示すものだという考えは、安倍総理個人の考えですか。
二 政府としても、憲法三権分立など国家組織の具体的な姿を示すのではなく、(現時点では具現化していない)理想の姿を示すものであると考えているのですか。
三 上述した通り、安倍総理の「国の理想の姿を示すものです」という憲法に対する認識は、明らかに誤っているので、過去の答弁を訂正すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

 右質問する。

  初鹿代議士の見識は見識でよろしいかと思いますが、責任主体が出版社である国語辞典や、外国の法律を以て、国民の負託という政治的正当性を有した内閣総理大臣の意見を「過っている」と言ったところで、そりゃ勝てんだろうと思います。あと、学説を提示する議員もいらっしゃいますが、学説は結局「個人の感想」であって、そこに政治的正当性はありません

 次に、答弁です。


一から三までについて

 憲法は、主権者たる国民の意思に基づき国家の統治組織の基本をはじめ国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障することにその基本的な役割がある根本規範であるところ、国の在り方や理想を示すものでもあると考えており、御指摘の安倍内閣総理大臣の発言は、この趣旨を述べたものである。

  はい、普通に「だから、内閣総理大臣として主張してるよ」という答弁ですね。「憲法」の意義は憲法条文の範疇におさまらないため、政治的な正当性を有した内閣による解釈が、学説、国語辞典、外国の法律に優越することは明らかでしょう。

 もちろん主権者は国民なので初鹿明博代議士のお仕事は、クソリプを内閣へ投げる暇があったら国民世論を喚起して、自らの主張の正当性を担保することであると思われます。