国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「太平洋戦争中の中華民国国民政府の性格に関する質問主意書」大地・鈴木宗男君(衆)

 けっこう古い、平成19年に鈴木宗男代議士(当時)が提出した、大東亜戦争期の「中華民国」って誰よ、日本との関係はどうなの?という、最高な質問です。本当に素晴らしい。よくぞ聞いた。右紹介する。

太平洋戦争中の中華民国国民政府の性格に関する質問主意書

衆議院議員鈴木宗男君提出太平洋戦争中の中華民国国民政府の性格に関する質問に対する答弁書

一 一九四一年十二月から一九四五年九月までに中華民国国民政府が複数存在したと政府は認識しているか。


二 一に対する答弁が肯定の場合、複数の政府の国家元首名と政府の正式名称を明らかにされたい。

 

 この質問、最高。

 

一及び二について

 当時、蒋介石等が主席を務める国民政府及び汪兆銘が主席を務める国民政府が、それぞれ中華民国国民政府と称していた時期があったと認識している。

 南京国民政府を忘れていなくてよかったです。しかし、重慶政府は「蒋介石等」としているのに、南京は「汪兆銘」と、本人には無断で主席にした林森と、汪兆銘が死んだから代理主席になってしまった陳公博を無視しているのは、どういうことなのでしょうか。

 前者はともかくとして、日本に亡命して金閣寺に逗留した後、重慶へ引き渡して銃殺された陳公博を無視するのは、道義的に如何なものか

 
三 一九四五年八月に日本政府はポツダム宣言を受諾したが、それはいかなる国家に対して効力を有するか。

三について

 我が国は、千九百四十五年八月十四日に、アメリカ合衆国、グレート・ブリテン国、中華民国及びソヴィエト社会主義共和国連邦の四か国に対し、ポツダム宣言を受諾する旨の通告を行った。

「米英支蘇四国に対し……」ですね。


四 ポツダム宣言を受諾した時点において、日本は、南京に所在した中華民国国民政府と同盟関係にあったか。

四について

 ポツダム宣言を受諾した当時の我が国政府と汪兆銘が主席を務めていた国民政府との関係は必ずしも明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難である。

 

 

  これはひどい。だから、当時の代理主席は陳公博だと……

  汪兆銘政権の面々は、化けて出る権利があると思います。

 

「ヒロポン等の製造並びに中毒患者に関する質問主意書」日共・池田峯雄君(衆)

 今回は歴史的文献、占領下にあった昭和25年に当時日本共産党の池田峯雄代議士より提出された、ヒロポンに関する質問主意書です。覚せい剤取締法施行前のこの頃、シャブは合法でした。

 ヒロポン中毒、シャブ中が巷に溢れているが、これどうよ、という当たり前な質問です。右紹介する。

 

ヒロポン等の製造並びに中毒患者に関する質問主意書

 最近ヒロポン等覚せい興奮剤の中毒患者が急激に増加し、各種の犯罪を犯し、国民の身心を破壞に導びいているが、政府は、これら患者をいくらと推定しているか。
 ヒロポン覚せい剤の製造は、どこの工場で、どれだけ製造を許可し、これをいかなる方法で販売せしめているか。又、いわゆるやみルートなるものについていかなる対策をとつているか。
 製造を全面的に禁止することの可否についての所見如何。
 製造を全面的に禁止した場合、製薬工場のこうむる打撃の程度如何。
 中毒患者の職業別分布状況如何。わからないとすれば、わかるためにどれだけの努力をしているか。
 その他かかる中毒患者の発生を防止し、国民の肉体と精神を守るために、政府の現にとつている施策を明示されたい。

 右質問する。

 

 

 ヒロポン等覚せい興奮剤のいわゆる中毒患者は、犯罪又は青少年の補導等によつて発見せられるものであつて、單なる中毒患者としては発見できないものである。従つて現在のところ中毒患者数を推定する資料はない。
 ヒロポン覚せい剤の製造については、その生産割当は会社別に行つているが、この生産割当の違反は、現在薬事法その他の法規によつて直接に取締ることができないが、不実の報告等については処分することができ、本年七月以降の生産割当及び生産量については別表を参照されたい。覚せい剤の販売方法としては薬事法上劇薬に指定されており、更に同法四十一條第七項の医薬品に指定してあるので、医師の指示又は処方せんによつてのみこれを販売しうることになつている。又、いわゆるやみルートなるものについては、検察当局とも密接な連絡をして無登録業者として処罰している。
 これらの覚せい剤を全面的に製造禁止することについては、医療上必要の点も考えなければならないが、弊害の大なるにかんがみ世論の帰するところであれば、製造禁止もまたやむをえないことと思うが、ただ現行薬事法によつては製造禁止の強制規定がない。
 もし製造を全面的に禁止した場合に、これらの製造業者の受ける経済的打撃については、覚せい剤の生産金額が同社における医薬品生産額の約六〇%を占めているのが、その最高の例であり、中にはかなりの程度の打撃を受けるところもあるかとも考えられます。
 中毒患者の職業別分布状況については、壯年層はよく判明しないが、青少年につきましては、各種の調査報告等を総合した結果によると、大体において無職(これは不良青少年に当ると考えられる。)が一番多く、それに次いで東京都では、有職者(これは露店商、飮食店従業員、ダンサー、特殊喫茶店従業員等を含む。)職工、学生の順になつており、大阪市では工員、日雇労務者、学生の順になつている。しかしこれらはいずれも表面に表われたものであつて、覚せい剤のいわゆる中毒患者は、潜在的なものであるため、は握はできないのであるが、検察当局とも連絡の上調査を続行している。
 政府はこのような中毒患者の発生を防止するため、現行法上できうる限りの措置をとるとともに、本年十二月一日各製造業者にヒロポン等の覚せい興奮剤の生産中止の嚴重な勧告を発している次第である。

 右答弁する。

 当たり前ですが、ちゃんと薬事法で「覚せい剤」が規定されていたんですね。

 全体的に、極めて誠実に答えていて驚きます。

 現行法では覚せい剤を禁止できないが、生産中止勧告をしている。全面禁止をすると、製薬会社が倒産する。

 ポン中については、「無職(これは不良青少年に当ると考えられる。)が一番多く、それに次いで東京都では、有職者(これは露店商、飮食店従業員、ダンサー、特殊喫茶店従業員等を含む。)職工、学生の順になつており、大阪市では工員、日雇労務者、学生の順になつている」。

 約七十年経った今からみて、当時のポン中と製薬会社の状況が、概ね理解できますね。つか、東京都の「有職者」ってなんだよ。

 歴史的資料として、保存しておきます。

 

 

 

 

 

「漂着北朝鮮漁船」関連質問主意書、立民・逢坂誠二君(衆)

 最近話題の、北朝鮮から漂着する木造漁船に関連した質問主意書を、おなじみ立憲民主党逢坂誠二代議士が2本提出、答弁書が公開されました。なんだか逢坂代議士ファンサイトみたいになっていますが、質問主意書提出件数自体が多いですからね。

 質問自体がいつになく具体的かつ、そもそも政府が積極的な北朝鮮への強硬対応に発破をかける、国民の北朝鮮への不安と不信に寄り添った内容になっていますが、そういえば北朝鮮漁船に機材等を略奪された灯台は、逢坂代議士の選挙区でしたね。

 よって、地元住民を代表して政府仕事しろと要求する、「地に足の着いた」質問主意書になっています。私としても注視している問題なので、独断と偏見でこれは「好質問」とします。右紹介する。

 

無人の国境離島地域の保全に関する質問主意書

一 松前小島のような無人の国境離島で、国の行政機関の施設として監視カメラなどが設置されている事例は、現在、どの程度か。政府の把握するところを示されたい。

 

一について

 御指摘の「松前小島」は、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法(平成二十八年法律第三十三号)第二条第一項第一号に規定する領海基線を有する離島(以下「国境離島」という。)には該当しない。
 また、内閣府において確認している限りでは、現時点で、国境離島のうち現に日本国民が居住していないものに国の行政機関が設置している監視カメラの数は七十五台である。

 

 なるほど、法的に「国境離島」は定義されており、松前小島は「国境離島」には該当しないんですね。なお、「離島」も法的に定義されているので、どちらかといえば

単に「離島」とした方が、質問の趣旨に近い回答が得られたかと思われます。

 

二 松前町水産課長は「想定外の事態。国に監視カメラの設置などを要望したい」と述べたとされるが、松前小島は「我が国の領海、排他的経済水域等の保全等に寄与すること」は大であり、国の行政機関の施設として監視カメラなどを設置し、常時監視を行うべきではないか。政府の見解を示されたい。

二について

 御指摘の事案も踏まえ、引き続き、関係機関が連携し、我が国沿岸部の警戒体制を強化するなど、不審者対策や領海警備に万全を期すこととしており、必要に応じ更なる対策を検討してまいりたい。

 

「引き続き~」は「既にやってます、とくに変えるつもりはありません」という意味ですが、「必要に応じ更なる対策を検討」は、「もっと仕事します」という意味なので、これは言質を取りましたね。


三 今回の事案では、松前さくら漁協が管理する小屋の内部が荒らされ、保管されていた物品がほとんど失われるという事態に至った。今回の事案で窃盗行為を行った者は概ね特定されているものの、今後、窃盗行為などの犯人が必ずしも特定されるとは限らない。このような無人の離島の管理小屋は当該海域で操業する漁業者の緊急避難場所としての役割も果たしており、その機能が損なわれることは、悪天候時、漁業者の人命の危機につながるものである。このような悪意ある不審船による無人の国境施設で生じた盗難、破壊などの被害を補償する公的制度は存在するのか。存在しないとすれば、政府は創設すべきではないか。見解を示されたい。

三について

 お尋ねの「無人の国境施設で生じた盗難、破壊などの被害を補償する公的制度」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の事案については、平成二十九年十二月八日現在、関係機関において事実関係の確認を行っているところであり、政府としては、その結果を踏まえ、適切に対処してまいりたい。

 

「お答えすることは困難である」で済ませることも可能なところ、わざわざ「適切に対処」に言及したのは興味深いです。なにかやるんですかね。

 

北朝鮮から漂着する木造船に起因する諸問題に関する質問主意書

 

一 過去三年間の北朝鮮からの日本海沿岸への漁船等の漂着数はどの程度か。また取り調べを受けた者の数はどの程度か。政府の把握するところを明示されたい。

一について

 お尋ねの「北朝鮮からの日本海沿岸への漁船等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、海上保安庁においては、平成二十六年から平成二十八年までの三年間において、朝鮮半島からのものと思われる漂流・漂着木造船等を百七十六件確認している。
 また、お尋ねの「取り調べを受けた者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、海上保安庁においては、平成二十六年から平成二十八年までの三年間において、朝鮮半島からのものと思われる漂流・漂着木造船等からの生存者を五名発見しており、当該生存者から漂流・漂着に至った経緯等について事情聴取を行っている。

 

「言ってることよくわかんないけど、やる気があるから質問の意図を忖度して答えるよ」という、「やればできるじゃねえか」答弁ですね。3年間で175件とは、かなりの数だと思います。

 


二 韓国の国家情報院は、北朝鮮が今年、中国漁船への漁業権販売で約三千万ドルの外貨を獲得していると韓国の国会で報告し、一五〇〇隻あまりの中国の漁船に当該海域での漁業を許可しており、例年の三倍の規模と推定される。この北朝鮮の中国への漁業権の売却にともない、北朝鮮の漁船は沖合に出て操業せざるを得なくなり、日本のEEZ内にある大和堆付近に集結し違法操業を続けていると認識しているが、このような理解でよいか。
三 二に関連して、北朝鮮の漁船が日本のEEZ内にある大和堆付近に集結し違法操業を続けていることを政府は把握しているのか。見解を示されたい。
四 三に関連して、日本のEEZ内にある大和堆付近の海域での北朝鮮の漁船の違法操業は、わが国の漁業資源を損なうものであり、また今次の多数の木造船の漂着の原因となっていると思われるが、これに対して政府はどのように対応し、北朝鮮の漁船の違法操業を止めさせるのか。政府の今後の取り組みを具体的に示されたい。
五 北朝鮮の漁船は沖合に出て操業せざるを得なくなり、日本のEEZ内にある大和堆付近に集結し違法操業を続けている事実に対して、政府は何らかの手段でこれまで北朝鮮に抗議を行ったことはあるのか。

 

二から五までについて

 大和堆周辺の我が国の排他的経済水域において、北朝鮮籍とみられる漁船による違法操業が行われていることは把握しているが、その背景の詳細については、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたい。当該違法操業については、我が国の漁業者の安全操業の妨げにもなっていることから、当該水域において、水産庁の漁業取締船及び海上保安庁の巡視船を重点的に配備し、放水等の厳しい対応により当該漁船を退去させている。今後とも、このような措置により当該違法操業の防止に努めていく所存である。また、当該違法操業について、在中華人民共和国日本国大使館を通じて、北朝鮮側に対して厳重に抗議を行っているところである。

 

 これ、束ねてはいますが、ちゃんと一つ一つ回答していますね。主務官庁も別個だと思われますが、なんなんでしょう。


六 松前小島の管理小屋のシャッターが壊され、管理小屋内部の物品、灯台ソーラーパネルの一部も無くなっていることが明らかになったが、かかる事案は、刑法第百三十条(住居侵入罪)ないし刑法第二百三十五条(窃盗罪)に該当し、罪を犯した者は日本の法令に従って処罰されるという理解でよいか。

 

六について

 犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えたい。

 

 これは、建前としては地方自治体警察が判断することなので、中央政府としては回答できないということでしょう。


七 六に関連して、民法第七百九条でいう「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」に基づいて、保護法益を犯した者には賠償責任が生じるという理解でよいか。

七について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うこととなる。

 

でしょうね。


八 七に関連して損害を賠償する責任が保護法益を犯した者に生じたとしても、北朝鮮から木造船で漂着した乗組員にその賠償責任を果たす能力があるとは思えず、現実には管理小屋を所有する漁協が一方的な被害を受けるだけという見方が漁業者に共有され、深刻な不安のもとになっている。政府はこのような事案に対して、適切な対応を行い、漁業者の不安を払拭すべきではないか。またこのために適用できる何らかの政府の支援制度は存在するのか。見解を示されたい。
九 松前小島では灯台ソーラーパネルの一部が無くなっていることが明らかになったが、このような事案は灯台の機能そのものを喪失しかねない深刻なものであり、漁業者の操業に不安を抱かせるとともに、海難事故に結びつくものである。政府はこの事態を深刻に受け止め、再発防止に努めるべきではないか。政府の今後の対応策について、具体的に示されたい。

 

八及び九について

 お尋ねの「事案」(以下「本件事案」という。)については、平成二十九年十二月八日現在、関係機関において事実関係の確認を行っているところであり、政府としては、その結果を踏まえ、適切に対処してまいりたい。

「適切に対処」はするんですかね。


十 北朝鮮国内の公衆衛生事情は相当悪いものと多くの専門家に指摘されており、漂着した木造船の乗組員が感染症のウイルスを保有していることも想定される。感染症対策の観点からも、このような漂着した木造船にどのような対策を講じているのか。また函館湾などの人口密集地のそばに木造船を曳航するのは妥当であったのか。政府の見解を示されたい。


十一 十に関連して、木造船の乗組員が日本国内でのテロ行為を行う意思を秘匿したまま函館港などに曳航されることを意図し、港内に曳航されたのちバイオテロを行った場合、函館市民は甚大な被害を受けかねず、人口密集地にある港に木造船を曳航することは相当に慎重であらねばならない。今回の曳航は妥当な判断だったのか。またバイオテロなどの準備がないことなどを確認するなど船内を完全に調査した後の措置であるのか。政府の見解を示されたい。

 

十及び十一について

 本件事案に係るえい航の実施に際しては、函館港外にえい航する前に、感染症対策として、検疫所長が検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがないことを確認したほか、海上保安庁の立入検査において、テロ行為の準備がないことなどを確認しており、適切に対応したものと考えている。

 

 これは、正面からの「ちゃんと仕事してるのか」「具体的に、こういうことをしてます」やりとりですね。どうでもいいし、決まりなんでしょうが、「えい航」という表記は気色悪いですね。文科省に文句を言いたいです。


十二 今次の北朝鮮からの複数の木造船の漂着は、政府が各省横断的に取り組む問題であると考える。当該地域の住民や日本海を漁場として漁業を営む方々は深刻な不安を持っており、海上保安庁や警察の真摯な取り組みには敬意を表するものの、政府として対応担当部署を明示し、住民や漁業者の不安の払しょくを図るべきである。その場合、政府の当該事案の主たる担当省庁はどこになるのか。見解を示されたい。

十二について

 北朝鮮からの木造船の漂着に対しては、関係省庁が緊密に連携して対応することとしており、お尋ねについてお答えすることは困難である。

 せやな。

 

 

 

「 第三の性に関する再質問主意書」立民・逢坂誠二君(衆)

 時事問題について内閣へ「これどうなの」とリプを飛ばしては、「質問で使用している語句の定義がわからん、以上」と回答されている立憲民主党逢坂誠二代議士ですが、先日本ブログでも紹介した「 第三の性に関する質問主意書」については腹に据えかねたようで、質問主意書を提出しました。

 毎度毎度「お尋ねの~の意味するところが必ずしも明らかではないため(以下略」と答弁されても質問主意書で定義を書かないので、てっきり答弁書を読んでいないのではと思っていましたが、ちゃんと目を通していたようです。右紹介する。

第三の性に関する再質問主意書

答弁書

 先般提出した「第三の性に関する質問主意書」(質問第三九号)に対する答弁書(内閣衆質一九五第三九号。以下「答弁書」という。)では、「お尋ねの「第三の性」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である」と示された。
 「第三の性に関する質問主意書」では、ドイツ連邦の憲法裁判所の判断を紹介しつつ、またオーストラリアやインドの裁判所で、第三の性を公的に認める判断についても言及したところである。このドイツ連邦の憲法裁判所の判断については、二〇一七年十一月九日のニューヨークタイムズ紙は“Germany must create a third gender category for people who do not identify as either male or female or born with ambiguous sexual traits, the country's constitutional court ruled on Wednesday, finding that binary gender designations violated the right to privacy.”(ドイツの憲法裁判所は、男女双方の性的な特性を持たない、男性や女性としても識別できない人々のために、第三の性別分類を作成しなければならないと判断した)と報じており、「「第三の性」の意味するところが明らかではない」との政府の見解には疑義がある。

「「第三の性」は海外でさんざん話題になっているだろ、いい加減にしろ」と、怒っていますね

 

 わが国においては、これに対する公的な取り組みはほとんど進んでいない。その定義として、長浜バイオ大学の麻生一枝氏は、「青少年問題」の平成二十五年十月号で、「心の性そのものが男か女かに単純に二分できるものではない」とした上で、第三の性については、専門家の間でも認識や意見が必ずしも一致せず、学術的にはインターセックスと呼称されていることを紹介し、「典型的な男性の体、あるいは典型的な女性の体に当てはまらない体を持つ人々」であると規定している。また麻生一枝氏はインターセックスという用語について、欧米を中心とする小児内分泌専門家からは性分化疾患という用語を用いることが提案されていることを紹介している。

 

 逢坂代議士、ついに定義を明らかにすることを覚えたようです。論文の注釈みたいですね。なお、前文が長いので、全文は引用していません。では、質問項目に移りましょう。

一 厚生労働省の難治性疾患克服研究事業において、「性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成」が対象とされ国からの支援が行われているが、「典型的な男性の体、あるいは典型的な女性の体に当てはまらない体を持つ人々」が存在することを承知しているのか。政府の見解を示されたい。

 

一について
 お尋ねの「典型的な男性の体、あるいは典型的な女性の体に当てはまらない体を持つ人々」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、一般論として、先天的に外性器異常等を伴う疾病の患者がいることは承知している。

 

「青少年問題」を参照していないので麻生氏による定義がわからないのですが、どうも厚労省的には定義不十分だったようです。そもそも、論文って参照しているんですかね。していないのなら、そりゃ「典型的な男性の体」は意味不明なのですが、「必ずしも」がついているので、「完全に意味不明」ではないようです。もっといい引用元を探しましょう。

 

二 日本小児内分泌学会がいうところの「中間の性」というものが定義されていることを政府は承知しているのか。見解を示されたい。

 

二について
 平成二十八年十二月に一般社団法人日本小児内分泌学会性分化・副腎疾患委員会が発行した「性分化疾患の診断と治療」において、「「中間の性」といった社会通念はまだ形成されていない」と指摘されており、同学会において、御指摘の「中間の性」の定義がされているとは承知していない。

 

「お前の引用した資料でも定義がなされていないって言ってるしwww」という、完全論破答弁ですね。作成担当者は、おそらく気持ちよかったでしょう。しかし、官庁は学会の発表は参照するようなので、質問主意書で引用するのは有効だと見られます。

 

三 海外では、裁判所の判断にも、「第三の性」あるいは「中間の性」そのものを法的に認め、政府が第三の性である人々が社会生活を営みやすいような措置を取るべきであると示されているが、このような事実を政府は承知しているのか。見解を示されたい。

 
三について

 御指摘のドイツの裁判所における判決について、報道があったことは承知しているが、その事実関係については承知していない。

 

新聞くらい読んでるけど、海外のことは知ったこっちゃない」という、当たり前の回答ですね。そもそも、海外の事例について政府が論評すると内政干渉になりかねないので、質問しても無駄でしょう。

 

四 現行の法制度や政府の政策において、「第三の性」あるいは「中間の性」を配慮したものは存在しているのか。見解を示されたい。
五 わが国において、「第三の性」もしくは日本小児内分泌学会がいうところの「中間の性」に該当する者はどの程度であると考えているのか。政府の把握しているところを示されたい。
六 「第三の性」を認めることは、社会や医学の問題にとどまらず、人権問題に他ならないという見解があるが、これに対する政府の見解を示されたい。
七 ドイツの憲法裁判所の判断や海外における裁判所の判断、日本小児内分泌学会の知見などを踏まえ政府は「第三の性」の存在を現行の法制度に整合させるための検討をはじめるべきではないか。見解を示されたい。

 

四から七までについて

 お尋ねの「第三の性」及び「中間の性」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

 

 はい、出ました「意味するところが明らかではない」=「お前の言ってること意味不明」

 ちなみに質問主意書は、「再々質問」までは出せます。答弁書作成の担当は、一度あたると再々まで同じ人間が作るので、こうなってくると、逢坂代議士と某厚労官僚の一騎打ちですね。

 果たして逢坂代議士は、「意味するところが明らかではない」と言わせない質問主意書を作成できるのか?!

 続編に期待します。

 

 

 

「 選挙期間中の情勢調査の公表記事に関する質問主意書」立民・初鹿明博君(衆)

 質問主意書には、様々な種類があると思います。ざっと分類すると、こんな感じではないでしょうか。

1.議員がニュースを見て思ったことを内閣へリプライする「クソリプ質問」

2.議員が「そういや、これってどれくらいあるの?」と思いついたことを内閣へ問い合わせる「豆知識型質問」

3.議員が地元で受けた陳情を内閣へたらいまわしする「陳情たらいまわし質問」

4.「UFOがきたらどうするの?」のようなネタ質問

5.意味不明質問

 

 今回は、立憲民主党所属の初鹿明博代議士によります、「選挙の公平性を損なう恐れが大きくある報道については、報道の自由に配慮しつつも、禁止すべき」という、意味不明質問をご紹介します。

選挙期間中の情勢調査の公表記事に関する質問主意書

 

 近年、各種選挙において、告示、公示後の選挙運動期間中に、報道各社が全体的な傾向のみならず、選挙区ごとの情勢調査の結果を公表する記事を報じることが広く行われています。
 このような報道は、優勢だと報じられた候補者に票が集中することを誘発したり、劣勢と報じられた候補者については投票しても無駄だと有権者が判断するなど、有権者投票行動に何らかの影響を及ぼす恐れがあり、選挙の公平性を著しく害していると考えます。
 公職選挙法第百三十八条の三には「何人も、選挙に関し、公職に就くべき者(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数若しくは公職に就くべき順位)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはならない」との規定があります。
 一方、公職選挙法逐条解説によると、「公職に就くべき者を予想する人気投票」に類似するものとして、新聞社等の行う世論調査があるが、たとえ名目は世論調査であっても、その調査方式が投票の方法によるものであれば、その経過又は結果を公表することは本条違反となる。しかし、調査員が被調査者に面接したり、架電して口頭回答を得るような方法で調査をした場合は、ここにいう「人気投票」には当たらない、としています。
 しかし、近年の選挙結果を見ると、選挙期間中に、個々の選挙区の情勢記事を報じることによって、有権者投票行動が影響を受けた結果になっていると考えられるとともに、投票率の低下を招いていると考えられます。
 以上を踏まえ、報道の自由は保障されなければならないものではありながらも、選挙の公平性を損なう恐れが大きくある上記報道については、報道の自由に配慮しつつも、禁止すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

 右質問する。

 たしかに選挙期間中の情勢報道は、確実に有権者投票行動に影響するので、言いたいことは分からないでもないのですが、「投票行動に影響しない選挙報道」って無価値極まるニュースだとも思うんですよね。何の参考にもなっていないじゃないかと。

 それはそうとして、政府答弁。

衆議院議員初鹿明博君提出選挙期間中の情勢調査の公表記事に関する質問に対する答弁書


 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百四十八条第一項においては、新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由について規定されており、また、同法第百五十一条の三においては、選挙放送の番組編集の自由について規定されているところであり、報道機関は、これらの規定を踏まえて各選挙における報道を自らの判断により行っているものと考えている。
 お尋ねの「報道の自由に配慮しつつも、禁止すべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、同法第百三十八条の三に規定されている人気投票の公表の禁止のほかに新たに制限を設けることについては、報道の自由との関係を含め、必要があれば各党各会派において十分に議論していただくべきものと認識している。

 

「いずれにせよ」部分で、「禁止するかどうかは政府じゃなくて、お前ら国会議員が決めること、お前の仕事だから」と、ビシッと言っているのがいいですね。言わずにはいられなかったのでしょう。

「質問主意書の答弁書作成等に関する質問主意書」民主・長妻昭君(衆)

 またまた、民主党(当時)の長妻昭代議士による過去の珍質問主意書です。いや、過去の質問主意書でここまで面白いものを発掘させていただけるあたり、もう好質問としてもいい気すらしてきます。ラジオ番組のハガキ職人的なアレだと思います。

 今回ご紹介するのは、平成20年、麻生内閣の頃に提出された、「質問主意書答弁書作成等に関する質問主意書」です。パラドックス的な臭いがして素敵です。

 大意としては、

役人って、サビ残サービス残業)して答弁書作ってるの?残業代出せよ。つか答弁書でてくるのが速くなったけど、手抜きが目に余る。これサビ残のせいじゃね?以上、質問を束ねずに答えろ

 なんというか、労働者の劣悪な雇用環境が、サービスに跳ね返ってきていることに異議を申し立てる、いい消費者ですね。おそらく、7割がたは合っていると思います。本ブログでは今後、長妻代議士に敬意を表し、「長妻先生」と呼称することにします

 今回は一問一答形式にします。右紹介する。

質問主意書の答弁書作成等に関する質問主意書

衆議院議員長妻昭君提出質問主意書の答弁書作成等に関する質問に対する答弁書

 一 質問主意書答弁書作成は、残業になった場合でも残業代を支払わない、いわゆるサービス残業で作業がなされているのか。
 そうだとすれば、残業代を支払うべきと考えるがいかがか。

四 野党やマスコミからの資料要求に関しても、サービス残業で作成する場合があるのか否か、お答え願いたい。
五 仮に野党やマスコミの資料要求対応がサービス残業でなされる場合、官僚サイドは資料要求に真面目に応えようという意欲が減退して、国民の知る権利も侵されかねない。残業代をきちんと支払うべきと考えるがいかがか。
 国家公務員に残業代を支払わない場合、どのような法令に違反するのか。お示し願いたい。

 

一、四及び五について

 国家公務員の超過勤務は、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合において、正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この命令(以下「超過勤務命令」という。)に従って行われるものであり、超過勤務命令に従い勤務した時間に対しては、超過勤務手当が支給されることとなっている。
 質問主意書答弁書作成及び野党やマスコミからの資料要求への対応について、各府省に確認した限りにおいては、超過勤務命令に従い勤務しているにもかかわらず、それに対する超過勤務手当が支給されていない事例はなかった。
 なお、超過勤務命令に従い勤務した時間に対して、超過勤務手当を支払わなかった場合には、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第十六条の規定等に違反することとなる。

 

「束ねずに答えろ」と断っているのにもかかわらず、いきなり束ねているのがいいですね。「サービス残業なんかありませんよ」と、人事院の役人がサビ残しながら答弁書を作成しているところを想像すると、限りなく笑えます。ああ、ブラック大国日本。

 

二 最近の質問主意書答弁書は、手抜き答弁が目に余るが、平成一五年時点と比較して、答弁書作成のルールが変わったのか。変わったとすればその内容を詳細にお示し願いたい。
三 平成一五年時点では、多くの答弁書で期限延長がなされ、丁寧に答弁書作成がなされていたが、なぜ、最近は期限を延長した上で丁寧な答弁書作成がなされないのか。

 

二及び三について

 政府としては、従来より、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)の規定等に従い、質問主意書に対する答弁をしてきたところであるが、平成十六年八月及び平成十八年六月の衆議院議院運営委員会理事会における質問主意書制度に関する合意がなされて以降は、当該合意も踏まえて答弁をしているところである。

 

 まあこの質問は、言いたいことはわかるものの、どう考えても満足いく回答は出てこないでしょう。

 六は面白くないので端折ります。

七 官房長官発言の「サービス残業」とはどのような意味か。
八 官房長官発言の「しかも、エリートでない官僚のことで」とはどのような意味か。エリートでないとは、いわゆるノンキャリアを指すのか。

七及び八について

 御指摘の内閣官房長官の発言については、平成十七年当時のものであり、また、会議録上これらの発言の直後の発言も明らかでないことから、その意味を現時点において確認することは困難である。

 

「そんな昔のことは知らん」と、ケンモホロロですね。当時の官房長官安倍晋三現総理なので、遅くとも第一次安倍内閣の頃に出しておくべきでした。

 

 ちなみに、「平成十六年八月及び平成十八年六月の衆議院議院運営委員会理事会における質問主意書制度に関する合意」は、長妻先生が質問主意書を提出し過ぎたのも原因なようですが、名作も発表しているので、いいと思います。

 

「GPS端末等により位置情報を取得する捜査に関する質問主意書」希望・階猛君(衆)

  今年3月、令状を得ずにGPS位置情報端末を取り付ける警察の捜査は違法であるとの判断を、最高裁が下しました。

 「とのことだけど、で、お前ら警察はどうするの?」という質問主意書が、希望の党所属の階猛衆議院議員より提出されました。「あーあ、ついに来ちゃったよ」という感じですね。普通に炎上案件です。右紹介する。

GPS端末等により位置情報を取得する捜査に関する質問主意書

一 本判決は、GPS捜査について、「その特質に着目して憲法、刑訴法の諸原則に適合する立法的な措置が講じられることが望ましい」としている。この点に関して、次の事項を明らかにされたい。
 1 GPS捜査を現行法上の捜査手法により実施することは、本判決により一律に否定されるのか否か。政府としての本判決についての見解を明らかにされたい。
 2 政府は第百九十三回国会の答弁第一五三号(「衆議院議員初鹿明博君提出GPS捜査違法判決に関する質問に対する答弁書」)において、本判決を受けて警察庁が通知(警察庁丁刑企発第十五号、丁支発第二十二号)により控えるように指示した捜査は、「捜査対象車両に移動追跡装置を取り付けて行う捜査」であるとしているが、捜査対象者の所持品にGPS端末を取り付ける形での捜査の実施は認めているのか。

 閣僚経験者だけあって、質問がカッチリしていますね。「お答えすることは困難である」で逃げるのは無理なようです。

一の1について

 お尋ねについては、関係省庁において御指摘の判決の分析を行った上で必要な検討を行うこととしている。

一の2について

 現在、関係省庁において御指摘の判決の趣旨を踏まえつつ、捜査対象車両以外の物を対象としたものも含め、移動追跡装置を取り付けて行う捜査の在り方について、必要な検討を行っているところである。

「ちょっといま、どうするか考えてる」という答えが出てきました。まあ、実際そうなんでしょう多分。次に、携帯電話の位置情報についての質問が続きます。

二 位置情報を取得する捜査手法として、携帯電話のGPS機能等により得られる使用者の位置情報を、捜査機関が電気通信事業者を介して取得するという捜査(以下、「携帯位置情報捜査」)が存在する。かかる捜査に関して、以下の点を明らかにされたい。
 1 総務省作成の「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」(以下、「本ガイドライン」)に基づき、平成二十八年度において捜査機関が電気通信事業者から利用者の位置情報を取得するために令状の発付を受けた件数はいくつか。
 2 「携帯位置情報捜査」も、対象者の所在地に関わらずその位置情報を取得するという点ではGPS捜査と変わりはない。本判決を踏まえ、「携帯位置情報捜査」についても新たな立法措置を講じることなく現行法上行うことは許されないと解すべきではないか。政府の見解を示されたい。
 3 本判決を受けて、本ガイドラインの「携帯位置情報捜査」に関する規定を改正する予定はあるか。


二の1について

 警察庁としては、お尋ねの件数は把握していない。
二の2及び3について

 御指摘の判決は、「車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査」について判示したものであるが、その趣旨が御指摘の「携帯位置情報捜査」に及ぶか否かについては、今後、関係省庁において必要な検討を行うこととしている。

 

 今回の「GPS位置情報端末」違法判決の効力が携帯電話端末に及ぶかどうか、警察庁として解釈が定まっていないようです。

 

三 「携帯位置情報捜査」の運用等に関して、次の事項を明らかにされたい。
 1 本ガイドラインに基づく「携帯位置情報捜査」において継続的に対象者の位置情報を取得する場合、その継続時間は最長でどれくらいとなるのか。
 2 本ガイドラインに基づく「携帯位置情報捜査」において、一回の令状によって対象者の位置情報を取得できる期間について、政府内部で制限を設けているのか。
 3 現行の本ガイドラインに基づく「携帯位置情報捜査」の運用上、捜査機関が本ガイドラインに基づいて位置情報を取得した場合、位置情報を取得された捜査対象者には位置情報の取得があった事実について事後的な通知がなされていないと解してよいか。

 

 令状が出たとして、ある瞬間の位置情報を一回だけ取得しても仕方ないので、確かに「どうするんだろう」と、単純に気になりますね。

 

三の1について

 お尋ねの「継続的に対象者の位置情報を取得する場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、警察においては、個別具体的な事案に応じ、裁判官の発する令状により、必要な捜査を行っているものと承知しており、一概にお答えすることは困難である。
三の2について

 警察においては、個別具体的な事案に応じ、裁判官の発する令状により、必要な捜査を行っているものと承知している。
三の3について

 御指摘の「事後的な通知」については、警察においては行っていないものと承知している。

 

 今後の具体的な運用については、ちゃんと木鼻答弁で逃げますね。

 いずれにせよ、最高裁で負けた以上、GPS位置情報はあまり積極的に使用できないでしょう。