国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「 国難突破解散の意味に関する質問主意書」立民・逢坂誠二君(衆)

 先の衆議院議員選挙では、安倍総理が「国難突破解散」と銘打ちました。「総理が命名する」という慣習は必ずしも存在しなかったかとは思いますが、いろんな意味でパワーワードだったため、定着してしまいましたね。「お前が国難」という反応が大量にあったことは、むしろ如何にインパクトの強い言葉の選択であったかという証左でしょう。

 あまりにもパワーワードなので、私は第四次安倍内閣を、「国難突破内閣」と心の中で呼称しています。

 立憲民主党逢坂誠二衆議院議員から、

国難ってなんですか?

国難を突破するとは、どういうことですか?

選挙の結果、国難を突破するに得る信託を得たと思いますか?

国難ってあまり聞かない言葉だけど、なんで使ったの?ごまかしてるの?

 という、クソリプ質問主意書がありました。

国難突破解散の意味に関する質問主意書

 逢坂誠二代議士の質問主意書紹介は早くも二回目ですが、そもそも逢坂代議士は質問主意書の三分の一という圧倒的シェアを誇っているので、お察しください。

 私は逢坂誠二代議士を、「東の横綱」と勝手に呼んでいます。題を見ただけで、どれが逢坂代議士の質問かわかります

 答弁を要約すると、以下の通りです。

国難」の意味を知らないみたいだから、広辞苑に書いていることを教えてやるよ

国難」を「突破」って、話が広すぎて答えようがないけど、首相はこう言ってたよ

「「国難」は「突破」されるに至る信託」」って何?意味不明

「あまり聞かない」とか「ごまかす」の定義がよくわかんないなぁ

 はい、これもいい木鼻答弁ですね。

 

平成二十九年十一月一日提出
質問第五号

国難突破解散の意味に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二

 




国難突破解散の意味に関する質問主意書

 安倍総理は、九月二十五日の記者会見で、「この解散は、国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります」と述べた。
 この「国難」の意味について疑義があるので、以下質問する。

一 「国難」の定義について、政府の見解を示されたい。
二 「国難」を「突破」するということは、具体的にどのような状態に至ることを考えているのか。政府の見解を示されたい。
三 今次の総選挙の結果、「国難」は「突破」されるに至る信託を国民から得たと安倍総理は考えているのか。見解を示されたい。
四 「国難」というような、普段、国民が用いない用語を使って、本来問われるべき安倍政権のこれまでの政治成果の是非を問うことを見失わせるような手法は不適切ではないか。安倍総理の見解を示されたい。

 右質問する。

 

衆議院議員逢坂誠二君提出国難突破解散の意味に関する質問に対する答弁書

平成二十九年十一月十日受領
答弁第五号

  内閣衆質一九五第五号
  平成二十九年十一月十日

内閣総理大臣臨時代理


       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出国難突破解散の意味に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 




衆議院議員逢坂誠二君提出国難突破解散の意味に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「国難」については、一般的に、「一国の危難。(出典 広辞苑)」を意味しているものと承知している。

二について

 お尋ねの「国難」の「突破」について網羅的にお答えすることは困難であるが、その上で申し上げれば、安倍内閣総理大臣は、平成二十九年九月二十五日の記者会見において、「急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります。」と述べたところである。

三について

 お尋ねの「「国難」は「突破」されるに至る信託」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「普段、国民が用いない用語」及び「本来問われるべき安倍政権のこれまでの政治成果の是非を問うことを見失わせるような手法」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。