国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「民泊及び違法民泊に関する質問主意書」民進・辻元清美君(衆)

 今回は、少し真面目なものを一つ。最近ホットな「民泊」について、民進党(当時)辻本清美衆議院議員が、民泊の商売敵と目される日本中小ホテル旅館協同組合の声明をぶつける形での質問主意書を、今年5月に提出しました。

 オリジナリティはありませんが、そんなものは特に求める必要もありませんし、国民の意見を代弁する「代議士」の仕事ということで、これは真っ当な、いい手法だと思います。

 質問の項目が細かく長いため、最初の方だけを引用します。

 右紹介する。

民泊及び違法民泊に関する質問主意書

 問一 民泊及び、旅館業法の許可などを得ずに違法に営業する「違法民泊(闇民泊)」の実態把握について
  1 直近の三カ年について、民泊に対する苦情について、どのように把握しているか。件数と具体的な内容について、自治体からの情報提供も含め明らかにされたい。
  2 直近の三カ年について、摘発や賠償命令が下された「違法民泊」は何件か。違法行為の具体的な内容も列挙されたい。
  3 民泊をめぐるトラブルや違法行為の増加について、どのような原因があると考えているか。

衆議院議員辻元清美君提出民泊及び違法民泊に関する質問に対する答弁書

 問一の1について

 厚生労働省が平成二十八年に都道府県等を通じて実施した「旅館業法遵守に関する通知に係るフォローアップ調査」(以下「厚生労働省調査」という。)によると、直近三年間において都道府県等に寄せられた民泊サービスに関する近隣住民、宿泊者等からの苦情等の件数は、平成二十五年度は三十四件、平成二十六年度は五十四件、平成二十七年度は四百八十二件である。具体的な苦情の内容については、主に騒音の発生、ごみ出しのルールの不遵守等であると都道府県等から聞いている。
 問一の2について

 お尋ねの「摘発や賠償命令が下された「違法民泊」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省調査によると、直近三年間において、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条第一項の許可(以下「旅館業の許可」という。)を受けないで、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業を行った事案の件数は、平成二十五年度は六十二件、平成二十六年度は百三十一件、平成二十七年度は千四百十三件である。

問一の3について

 近年、安価に日本のライフスタイルを体感できるものとして住宅に宿泊することを希望する訪日外国人旅行者が急増していること、宿泊者と住宅の所有者等をインターネット上でマッチングするビジネスが我が国でも急速に普及していること等から、民泊サービスへの需要が増大しているところである。一方、住宅において人を宿泊させるという民泊サービスの性質に着目したルールの整備が必ずしも十分でないこと等から、騒音の発生、ごみ出しのルールの不遵守等のトラブルが増加するとともに、旅館業の許可を受けないで、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業が増加しているものと考えている。

 

 法案提出中だったこともあってか、極めて真面目に答えていますね。「意味するところが必ずしも明らかではない」といいつつも、「たぶんこれが知りたいんだよね?」と忖度して答弁するというツンデレぶりを見せています。

 項目の立て方も丁寧であり、「真面目な質問には真面目に答える」ということなのでしょうか。ただ、単に観光庁がやる気マンマンだった、というところな可能性もありますね。