国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「安倍総理の伊勢神宮参拝に関わるLINEでの発信に関する質問主意書」立民・逢坂誠二君(衆)

 第196回通常国会で最初にご紹介するのは、本ブログで御馴染み、立憲民主党逢坂誠二代議士(北海道8区)によります、「首相が年頭にお伊勢参りするのはいいんだけど、それをSNSで発信するのは伊勢神宮の宣伝であり、政教分離原則違反では」という質問です。

 一見すると「どうでもいいわ」なクソリプ質問ですが、もしこれが政教分離原則違反とすれば、公職選挙に際して候補(予定)者が神社で執り行う「必勝祈願」などについて告知・発信することも違反になってしまうため、なにげに重要質問です。また、質問文の構成が、去年から様変わりしているのも注目です。よって、「珍」ではなく「好質問」とします。右紹介する。

 

安倍総理の伊勢神宮参拝に関わるLINEでの発信に関する質問主意書

一 歴代の総理大臣が年頭にあたり宗教施設である伊勢神宮に参拝することは、社会通念上、国民に受容されていると考えているのか。政府の見解如何。

  質問文が鈴木宗男氏っぽくなっていますね。これはもしかして、研究したのでしょうか。

一について

内閣総理大臣が私人としての立場で行う伊勢神宮参拝については、政府として立ち入るべきものではないことから、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

  これは靖国問題でよく出る話なので、まあ答えとしてはこうでしょうね。

二 本発言が発信されることで、伊勢神宮への参拝者が増加し、特定の宗教施設の活動を援助、助長、促進するものではないのか。政府の見解如何。
三 本発言をLINEで発信することは、「昭和四六(行ツ)六九 行政処分取消等」(最高裁判所大法廷判決 昭和五十二年七月十三日)でいうところの、「当該行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為」に該当し、日本国憲法第二十条に反するのではないか。政府の見解如何。
四 静粛な環境の下、内閣総理大臣が年頭にあたり伊勢神宮に参拝することは、社会通念上、国民に受容されていると考えられるものの、その行動を事前に、首相官邸のLINEの公式アカウントで告知することは、伊勢神宮の活動に関する助長、促進につながり、不適切ではないか。政府の見解如何。

 語句について、ちゃんと最高裁判例を引用して定義する大進歩を遂げています。これなら内閣法制局も文句ないでしょう。さて、答弁は?

二から四までについて

 お尋ねの「発信」又は「告知」は、それ自体宗教的意義をもつ行為ではなく、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるようなこともないことが明らかであることから、「日本国憲法第二十条に反する」及び「不適切」との御指摘は当たらないと考えている。

 ちゃんと「お尋ねの~について意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である」を潰してますね

 答弁自体は、「ん、少し苦しいのでは」と思い何度か読み返しましたが、「自分で発信、告知と言っているとおり、直接宣伝してるわけじゃないだろ。これは宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫に当たらないと断言しておく」ということでしょうか。

 確かにこれが違反となると、前に挙げた必勝祈願ほか、「靖国神社参拝しました」アピールや、なんなら「地域のお祭りで神輿を担ぎました!」という地元活動報告もアウトになることが明らかなので、妥当な判断でしょう。さすがに、近鉄電車ではありませんが「初詣は伊勢神宮へ」とかやるとアウトなんでしょうね、たぶん。

 逢坂代議士が意図していたかどうか知りませんが、「お祭りの写真をアップするのは~」といった物言いには、ちゃんと政府答弁を以て反論できることが明らかになりました。