国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「職場におけるパワーハラスメントの予防・解決を求めることに関する質問主意書」立民・阿部知子君(衆)

 今回は、メディアでも露出の多い立憲民主党阿部知子代議士(神奈川12区)によります、パワハラ・セクハラ防止を求める質問主意書答弁書をご紹介します。

 なにかと喧しそう活発に活動をしている印象のある阿部代議士ですが、前国会での質問主意書提出件数は、以外にもゼロ件でした。今回は打って変わって、「何故こんなにあらぶっているのか」と言いたくなる勢いで、質問主意書を提出しています。

 パワハラ・セクハラは防止した方がいいとして、では、政府ができることはなにか。ちょっと難しいテーマですが、それはともかくとして、質問主意書の出来がこれまた酷いです。右紹介する。

職場におけるパワーハラスメントの予防・解決を求めることに関する質問主意書

 昨今、職場における「いじめ・嫌がらせ」の相談件数が増加しており、職場のパワーハラスメントが大きな社会問題として認識され、企業においても経営上の大きな課題と捉えて取り組みが行われ始めた。平成二十九年三月決定の「働き方改革実行計画」(働き方改革実現会議決定)において、「職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」とされたことを踏まえ、昨年五月から十一月まで、六回にわたって「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」(以下検討会という)を開催している。
 関連して以下質問する。
一 検討会はすべて公開で行われていたにも関わらず、議事録が公表されたのは本年一月十六日から十七日である。公表が遅れた理由は何か。

「役人ども、仕事が遅いぞボケ」というクレームですね。


一について

 職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会(以下「検討会」という。)の議事録については、参集者による確認等の手続を経て公表しており、参集者による確認に相当の時間を要したためである。

 

二 検討会以前の職場のいじめ対策に関する厚労省の取り組みとしては、平成二十四年一月三十日「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告書」(以下WG報告書という)を取りまとめ、それを受けて、同年三月十五日「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を公表した。
  WG報告書は、職場におけるパワーハラスメント(以下パワハラという)の概念を「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と整理し、六つの行為類型を示した。しかし、実際には「概念」の解釈が業種や個別の企業文化の違いにより、加害者の個人的行為としてしか認識されないことも多い。
  最近、「肉体労働」・「頭脳労働」に続く第三の労働形態として、感情を切り売りする「感情労働」が注目されている。感情労働とは「会社などから管理・指導され、自分の感情を加工することによって相手の感情に働きかける職務」とされ、本来の感情を押し殺して業務を遂行することを求められる。最近は感情労働の概念が職種を超えて社会全体に広がり、メンタルヘルスの問題が深刻化しているという指摘もある。
  二〇〇七年、セクシュアルハラスメント(以下セクハラという)は、「相手方の意に反する性的言動」と定義され、「セクハラ防止に配慮する義務」から「セクハラの防止措置をとる義務」へと強化され、企業の措置義務が男女雇用機会均等法に規定された。パワハラ対策もこれに倣い、今回の検討会においては「概念」を発展させ、明確な定義を検討すべきではないか。

  パッと見た瞬間に「うわ面倒くさ」となるクソ質問ですね。文頭から「~という指摘もある」までの部分、なんなんですかね。「私はこういうことについて勉強しました」というアピールでしょうか。まず、根本的に質問の体裁を成していないですが、国会での質疑でも、こういう時間の浪費はよくありますね。

 あまりにもダラダラと長いので、答弁が束ねられている他の質問は引用を省略します。

二、四及び五について

 お尋ねの「「概念」を発展させ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、検討会においては、パワーハラスメントの定義、顧客からのハラスメントの問題への対応の在り方及び職場のパワーハラスメント防止対策の法制化を含め、職場のパワーハラスメント防止対策についての様々な議論が行われているところであり、今後の検討会での議論の結果を踏まえ、必要な対応について検討してまいりたい。

 翻訳すると、 「お前の言ってることはよくわからんけど、こっちはこっちでちゃんと考えて色々やっていきますよ」というところでしょうか。

三 労働者に対する嫌がらせやいじめは「同じ職場」の人間関係にとどまらず、顧客や取引先など外部の第三者によるものも存在する。
  UAゼンセン流通部門は、昨年六月~七月、接客対応の流通部門所属組合の組合員(販売・レジ業務・クレーム対応スタッフ等)を対象に調査を行い、同十一月に「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果~サービスする側、受ける側が共に尊重される社会をめざして~」(速報版)をとりまとめ公表した。
  この調査によれば回答者の七十三・九%が業務中に来店客からの迷惑行為に遭遇したことがあると答え、その内容は多い順に、「暴言」四十七%、「何度も同じ内容を繰り返すクレーム」二十八%、「権威的(説教)態度」二十六%、「威嚇・脅迫」二十五・四%、「長時間拘束」十九・二%、「セクハラ行為」九・八%、「土下座を強要」三・一%となっている。また迷惑行為を受けたうちの九割がストレスを感じながら仕事をしている実態が明らかになっている。
  この調査結果をもとに、UAゼンセンは厚労省に「職場における上司・部下関係のハラスメントだけでなく、消費者(顧客)・労働者の関係性の中にもハラスメントがある。その対策も検討してほしい」趣旨の要請行動を行なっているが承知しているか。またそうだとするなら検討会の議論にはいつ、どのような形で反映されているのか。

 なんなんですかね、この大学生がレポートの字数を稼いでいるかのような無駄な引用

三について

 お尋ねの要請行動については、承知している。
 また、お尋ねの「いつ、どのような形で反映されている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の調査結果については、平成二十九年十一月三十日の検討会において、参集者の一人から資料が配布され、説明されたところである。

 確かに、「要請をいつ、どのような形で議論に反映したか」って、「なんのこっちゃ」と首をかしげるところですが、これは阿部代議士もちゃんと満足してくれるでしょう。多分。

 以上、何が質問したかったのか、何を訴えたかったのか、問題意識が必ずしも明らかではないクソ質問でした。検討会について質問して、どうしたかったんでしょうか。