「台湾の実効支配に関する質問主意書」大地・鈴木宗男君(衆)
『広辞苑』で台湾が中華人民共和国の一部として取り扱われていることで、なんだか炎上していますが、一応、日本政府公式見解に関する質問主意書を数本、紹介します。
平成18年、鈴木宗男代議士が提出した、「台湾の実効支配に関する質問主意書」。「帰属」ではなく、「実効支配」としているのが、「わかりきったことを答弁すると地雷を踏む」仕掛けとなっており、さすがは宗男氏です。右紹介する。
衆議院議員鈴木宗男君提出台湾の実効支配に関する質問に対する答弁書
一 中華人民共和国が台湾を実効支配していると政府は認識しているか。
二 台湾の領域に所在する日本国民の保護を中華人民共和国が行うことができると政府は認識しているか。
この質問、非常に意地悪で出来がいいですね。
どう考えても実効支配は「していない」、後者は「無理でしょ」というところですが、小泉内閣の回答や如何に。
一及び二について
台湾に関する我が国政府の立場は、昭和四十七年の日中共同声明にあるとおりである。
「台湾の地位に関係する質問は、これ以外言わないもんね」という、強い意思が感じられる答弁ですね。
ちなみに日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明では、
三 |
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。 |
と、あります。「台湾は中華人民共和国の一部である」というのを、少なくとも否定はしないが、積極的には肯定もしない、というところですね。
三について
台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促すということが我が国の立場であり、御指摘のような仮定に基づくお尋ねにお答えすることは差し控えたい。
台湾問題は中華人民共和国の内政問題なのか? と、ストレートに質問した方がよかったのでは。
中国人に台湾問題への立場を聞かれるという面倒くさい事態が発生した場合、この答弁を使いまわすことを推奨します。