国会「好・珍質問主意書」

本ブログは、衆参両院に提出された質問主意書と答弁書の中から、「これは」というものを、独断と偏見で選び、面白がる目的で設立しました。

「元首相の訃報について中核派による不謹慎な動画が公表されたことに関する質問主意書」N国・浜田聡君(参)

 今回は、とうとう出ましたNHKから国民を守る党所属、浜田聡参議院議員(全国比例)による質問主意書です。

 大勲位、海軍ポリティシャンこと中曽根康弘元総理が死去。毎年憲法記念日憲政記念館で開催される改憲集会のたびに、「おお!大勲位が動いている!」と生存を確認していたのですが、昨年は欠席したので、「もしやそろそろか」とは案じていましたが、衝撃。

 「問題です、官僚出身で存命の総理経験者は一人しかいませんが、何省出身でしょうか?答えは、内務省(昭和22年末廃止)でしたー!」というクイズも、もう二度と出題できなくなってしまいました。

 様々な感慨のあった大勲位の死去ですが、大喜びした人々も

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YOUTUBE「前進チャンネル」より

 「極左暴力集団中核派YOUTUBEで公開している「前進チャンネル」で、「中曽根の死を祝って、乾杯~」と、祝杯をあげていました。

 これについて浜田聡参議院議員議員が、

「前進チャンネルについて、政府はどう把握しているの?」

表現の自由とかあると思うけど、この動画どうよ?」

 との質問主意書を提出。思ったことをとりあえず質問するタイプのクソリプですね。

 実は答弁書が出る前からこの質問主意書には個人的に注目しており、勝手に答弁を予想していました

 一については警察庁警備局の「治安の回顧と展望」にも記載があるので、「極左暴力集団中核派による勢力拡大を目的とした宣伝手段と承知。引き続き動向に注視する」といった熱のこもった答弁を警察庁警備局が作ると予想

 二については、「言論の自由」というからみから、内閣府法制局から、「お尋ねの当動画に対する政府の見解について意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である」といった塩答弁にすると、躁鬱じみた味わい深い好答弁になるなと、期待していました

 では、実際の答弁や如何に。質問全文とともに、右紹介する。

元首相の訃報について中核派による不謹慎な動画が公表されたことに関する質問主意書

 「戦後政治の総決算」を掲げ、国鉄の民営化や日米安全保障体制の強化などに取り組んだ、中曽根康弘内閣総理大臣(以下「元首相」という。)が令和元年十一月二十九日、都内の病院で逝去されたという報道があった。謹んで哀悼の意を表します。
 故人の業績について色々な意見があり、賛否両論があることは我が国の民主主義の観点からは望ましいと考えるが、今回の元首相の逝去に際し、看過しがたい動画が目に入ったので、今回質問主意書を提出する。
 動画サイト「YouTube」において、令和元年十一月三十日に「前進チャンネル」なるアカウントにより、元首相の訃報を祝う意図の動画(以下「当動画」という。)が公表された。十二月五日現在、当動画の再生回数は四万回台を数えている。これらの状況を踏まえ、以下質問する。

一 「前進チャンネル」はいわゆる中核派のアカウントであると考えられるが、政府の把握するところを明らかにされたい。

二 表現の自由との兼ね合いもあり、政府としての認識を示すことに困難な点があることを理解した上で問うが、当動画に対する政府の見解を伺いたい。

  右質問する。

 

答弁

一について

 御指摘の「前進チャンネル」は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団の一つである革命的共産主義者同盟全国委員会(以下「中核派」という。)が作成したものと承知している。

二について

 政府として、中核派が作成した個々の動画の主張内容について逐一見解を述べることは、今後の警察活動に支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。

   一は普通に「極左暴力集団がやってるやつだよ、知ってるよ」という警察庁警備局による答弁でしたが、二も警察庁が答えていますね。

 「極左暴力集団に関する政府見解は警察の仕事」ということがわかり、とても結構な質問主意書でした。